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    痛みは、何かを避ける必要がある、または何かに狂いが生じていることを犬に自然に認識させます。痛みには急性(短期間)と慢性(長期間)があります。急性の痛みは、軽い痛みから、犬にショックをもたらすほど耐えがたい痛みまでさまざまです。痛みが約6週間以上連続的につづく場合には、慢性と考えられます。慢性の痛みは執拗で不快ですが、ほとんどの犬は平然と行動します。飼い主は、以前ほど積極的に遊ぼうとしないなどの犬の行動の変化によって、大の慢性の痛みに気づくかもしれません。痛みの発作には、強さと不快さという2つの特徴があります。痺痛感覚は不変で、一般の鎮痛薬の影響を受けませんが、痛みの不快さは薬剤や状況によって少なくすることができます。また、プラシーボ(偽薬)による効果も期待できます。通常、急性の痛みは、適切な鎮痛薬によって緩和させることができます。慢性の痛みは、既存の治療法に奏効せず、治療が困難なこともよくあります。犬が感じる痛みの度合いは、傷害の程度とは無関係です。犬の脳は、入ってくる情報を絶え間なく監視し、情報の断片に生物学的優先順位をつけていきます。ほかの犬に暖まれて痛みを伴いそうな穿通創ができたときの犬が、直後に起こす反応は咲み返すことで、痛みを感じることではありません。脳では、それ以外の優先順位の高いものが処理されたあとに初めて、急性の痛みを意識します。たとえば、けんかによって深い傷を負った犬でも、痛みを感じていないように見えるキともあります。「関門制御説」では、神経受容体から脳への情報は、“関門”を通過しなければなりませんが、この関門がどのくらい開くかは多数の因子によって決定されます。感情が門の広さに影響しているのは確かで、おそらく生体の鎮痛物質であるエンドルフィンの濃度を変えることによるものと考えられます。外傷や大きな手術および一部のがんに伴う激痛に適用されるペチジンやモルヒネのような麻酔性鎮痛薬は、エンドルフィンに似ており、直接、脳に作用します。アスピリン、カルプロフェン、メロキシカムなどの非ステロイド性抗炎症剤は、体組織での炎症性プロスタグランジン生成を阻害することによって作用します。通常、非ステロイド性抗炎症剤は、軽〜中程度の痛みに用いられます。強い炎症とともに起こる痛みに対しては、ステロイドが使われることがあります。事故にあった犬がとくに苦痛を訴えなければ、犬は痛みを感じていないのだろうと考えてはいけません。痛みに対して、犬は人よりもはるかに平然としています。彼らは痛みにこだわることなく、前向きに生きているのです。犬は、急性の痛みに金切り声を出すことはありますが、慢性的で潜在的な痛みには、そのようなこと−はありません。犬が動いたときに、うめき声を出すことはあるかもしれませんが、かなり不快であったとしても、ほかにこれといった行動の変イヒはみられません。一般的に、人が痛みを感じることなら、犬も同じ程度に痛みを感じていると考えてください。 

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