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    犬ががつがつ食べるのは、ごく自然の姿です。食べ物は犬の競争心を駆り立て、犬は目の前にあるものはどんなものでも、急いで食べるように進化してきたのです。食券を子犬の前に置いてみるだけで、食べ物に対する執着心がわかります。子犬には、生まれたときから母乳や離乳食に対する競争心があります。こうした、誰よりも早く、誰よりもたくさん食べようとする行動は、食べ物が少ない場合には最高の戦略ですが、人が食べ物を与えている場合には、現在問題になっている肥満(栄養過多)という“疾患”につながることになります。タンパク質や脂肪、炭水化物はエネルギーになります。肉と脂肪は犬の生命を支える源となり、このなかには、犬に大切な必須アミノ酸、必須脂肪酸、ビタミン類、ミネラル類がすべて含まれています。しかし、肉だけの食事には問題があります。単なる肉だけでは、カルシウムとリンの割合がアンバランスになり、病気になることがあります 。エネルギーヘの変換や酵素の働き、骨の発育には、ビタミン類とミネラル類は欠かせません。消化を促し、形のある便にするためには、繊維も必要となります。そして、水は生命を支えるために重要です。、犬の腸内では、活発な生態系が営まれています。さまざまな“善玉”の細菌が競い合い、バランス良く生存しています。これらの細菌は、もともとは母乳からもたらされたもので、大の成長につれて新しい細菌がさまざまな食べ物から入ってきます。このような“新参者”の細菌のほとんどは、数日で死滅してしまいますが、なかには、定住して食べ物の消化を担ってくれる細菌もあります。食べ物の成分や“善玉”の腸内細菌は、免疫系の発達にも役立ち、病気や感染を予防してくれます 。 

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