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前十字(膝)靭帯に発症する靭帯損傷がもっとも一般的です。膝関節の靭帯断裂は、損傷によって起こりますが、十字靭帯断裂は、中年の肥満した犬に自然に発症します。十字靭帯断裂を起こしやすい犬種として、ボクサー(若齢でもこの疾患は起こります)とゴールデン・レトリーバーが挙げられます。後肢の突然の破行は、十字靭帯の傷害によって起こることがあります。靭帯が断裂したとき、膝の中の半月板はほとんど傷害を受けています。原因がなんであれ、靭帯損傷、なかでも完全に治らない靭帯損傷は、変性性関節疾患になる危険性があります。完全な前十字靭帯断裂を示す犬の多くは、将来的に変性性関節疾患になりやすいといえます。犬の脛骨端の角度が十字靭帯断裂の原因になるのではないかという獣医師の報告もあり、その場合、脛骨端の角度が28度以上になると、十字靭帯の伸張と断裂が起こるといわれています。 診 断 身体検査によって関節のゆるみを確認します。ゆるみを調べるために、短時間麻酔で肢の筋肉を弛緩させます。また、]線検査によって骨の傷害ではないことを確認します。 |