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    良性腫瘍は、ウイルス感染、損傷あるいは遺伝的要因など、さまざまな原因によって起こりますが、がんも基本的には同じメカニズムで起こります。細胞分裂などの生命過程を司る遺伝子が傷害を受けると、そこの細胞ががん化することがあり、このような欠陥遺伝子は遺伝する可能性があります。特異的ながん遺伝子をもつ犬種もいます。たとえば、バーニーズ・マウンテンドッグでは、5顔中3頭が遺伝性腫瘍によって死亡します。それ以外の個体またはほかの犬種では、遺伝子の関与はもっと複雑です。上記のような遺伝的要因もありますが、通常、がんは環境的要因によって形成されます。太陽光線などは、遺伝子に直接傷害を与え、発がん性物質と呼ばれています。また、食事やストレスなどが、がんの発症に間壊的な影響を及ぼすこともあります。通常、犬は免疫系によって、きわめて効率よく異常細胞を破壊します。しかしがん細胞は、免疫系のナチュラルキラー細胞に、“自己”剋織として認識させるように仕向け、自身の細胞を破壊させないようにします。このがん細胞は、急速に増殖して腫瘍を形成し、ほかの部位に広がることがあります。
     

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