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牌臓や肝臓など、腹腔内にある臓器は、いずれも腫瘍が発症する可能性があります。脾臓の腫瘍は大型犬に多く、とくにジャーマン・シェパードとゴールデン・レトリーバー、ラブラドール・レトリーバーによく認められます。脾臓の腫瘍は、初期段階では症状を示さない傾向があります。そのため、腫瘍と診断されるまでに、かなり肥大していることがあります。腫瘍から出血が始まるにつれ、犬は元気消失し、嗜眠状態になるため、その時点になって腫瘍が見つかるということもたびたびあります。肝臓そのものから腫瘍が発症する(原発性肝腫瘍)こともありますが、肝臓には、ほかの部位に発症したがんの転移による二次性の腫瘍がよく認められます。 診断と治療 身体検査、血液検査、]線および超音波検査を行います。良性腫瘍(血管腫)は、脾臓を摘出する治療を行います。しかし、悪性腫瘍(血管肉腫)は診断時に、すでに肝臓などに転移している可能性があります。転移が肝臓の1葉のみに限局しているときは、手術で切除することが可能ですが、肝臓内に広範囲に転移している場合には、予後は悲観的です。 |