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    発作のもっとも一般的な症状であるてんかんは、脳波の異常な電気活動が急にあらわれたときに起こります。中程度の発作は、群発するか、5分以上つづきます。原因として、脳の損傷、脳の癖痕形成、または脳腫瘍が考えられます。発作を引き起こすほかの原因には、血中カルシウム濃度の低下、低血糖、水頭症、腸内寄生虫の幼虫移行症、ジステンパー後の脳炎、中毒誘発性脳障害、熱射病などがあります。さらに、遺伝性素因も考えられます。発作には、重度な発作(劇症発作)と、軽度な発作(小発作)があります。しばしば”大発作”といわれる劇症発作は、以下の1〜3段階の症状を示します。
    1.犬が甘えてくる、落ち着かない、不安を示す、隠れる、クンタン鳴く、または吠えるなど、行動に異常がみられます。
    2.犬は虚脱するか意識を失い、体が硬直し始めます。つづいて、筋肉が不規則な動きをします。曳則的な四肢の震え、漕ぐような動作、排尿、排便、よだれなども起こします。この状態は数秒〜数分間つづきます。まれに長くつづくキとがあり、てんかんと呼ばれる状態になります。
    3.意識は戻りますが、もうろうとしていて、犬はぼーつとしたり、混乱したり、一時的に立つことさえ困難になります。犬によっては、盲目状態になることもあります。この見当識障害は、数分〜数時間つづきます。“小発作”といわれる軽度な発作は、短い時間ですが犬はよろけたり、瞬間的に意識を失ったりします。発作によって異常な行動をすることもあり、あたかもハエを捕まえるかのように空中に向かって咲みついたり、理由もなく熱心に穴を掘ったりします。この状態は精神運動性てんかんと呼ばれています。昆虫に刺されたあとの興奮状態を発作とまちがえることがありますが、犬は意識を失うことはありません。 

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