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肝臓の中毒はよくみられる疾患です。中毒の危険がある毒物としては、ハロタンなどの吸入麻酔薬、抗菌作用のある硫酸トリメトプリム、フィラリア治療薬のジエチルカルバマジン、そして鎮痛薬のパラセタモールなどが知られています。さらに、フェノバルビタールなどの抗痙攣薬、イトラコナゾールなどの抗真菌薬、抗寄生虫薬のオキシベンダゾールとジエチルカルバマジンの組み合わせ、また非ステロイド性抗炎症剤のカルプロフェン(リムアディル)により、肝臓病を起こす犬もいます。食物中の毒素(内毒素)も肝臓中毒の原因になります。フェノールなどの毒性化学物質、重金属、塩素化合物、かびの生えた種子に含まれるアフラトキシン、また、通常は治療に使われますが、過剰投与時、あるいは特定の犬にとっては毒性をもつ薬物などが該当します。 診断と治療 肝臓中毒は、急性または慢性の肝不全を引き起こします。血液中の肝臓の酵素活性を検査しても、中毒とその他の肝臓障害の原因とを鑑別することはできません。日和見感染がみられるときには、エンロフロキサシンのような抗生物質を使用します。ウルソデオキシコール酸が胆汁の循環を促進するように、コルチコステロイド剤もときに有効です。 |