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通常、非麻薬系鎮痛薬は、軽〜中等度の痛みや発熱に適用します。抗炎症作用をもつコルチコステロイドや抗細菌毒素作用をもつフルニキシンメグルミンも、非麻薬系鎮痛薬に属しています。そのほかに、非ステロイド性抗炎症剤(NSAIDs)やパラセタモールも含まれます。非ステロイド性抗炎症剤にはイブプロフェン、アスピリンが含まれ、痛みの信号を脳に送り込む化学物質であるブロスタグランジンの産生を阻害する作用があります。パラセタモールは脳内における痛みの電気的刺激を遮断します。アスピリンは1世紀以上使用されてきた薬剤で、犬では筋肉および関節の痛みをやわらげるために、今も広く用いられています。きわめて有効な薬剤ですが、長期間使用すると胃の粘膜が傷害され嘔吐を起こし、最終的には胃、十二指腸に潰瘍が発症します。アスピリンを投与するときは、粉状にして食事に混ぜるなどして、必ず負担を緩和してください。また、胃への毒性を軽くするため、アスピリンと併用する薬剤を処方することがあります。パラセタモールはアスピリンとちがって胃を刺激することはありませんが、抗炎症作用はありません。この薬剤には、筋肉や靭帯のような軟部組織の損傷に対する効果はほとんどありません。最近、カルプロフェン(商品名:リマダイル)やメロキシカム(商品名:メタカム)など、有効性が高くて安全な非ステロイド性抗炎症剤が開発され、術後の痛みや慢性的な骨関節の痺痛緩和には、麻薬系鎮痛薬の単独投与よりも効果があるとの報告があります。しかし、これらはアスピリンに比べると耐薬性は高いものの、胃の粘膜に対する刺激性、発赤、不快感などの問題は残っています。 |