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臓にはいくつかの重要な役割があります。栄養を蓄え、血液の解毒を行い、血液循環と体温を調節します。なかでも重要なのは、脂肪の消化に必要な胆汁の産生です。この胆汁は、胆のうに蓄えられたあと、胆管から十二指腸に分泌されます。肝臓はこれらの役割を果たせなくなったときに、疾患を引き起こします。鋼貯蔵病のように、肝臓がある種の栄養を有効に貯蔵できなくなって起こる障害もあります。また、微生物や、薬物によってもたらされる有害物質を分解する能力を失うことによって起こる疾患もあります。胆汁が適切に循環しないと消化がきちんとできなくなります。また身体的な傷害によっても肝臓に異常をきたします。循環系の疾患により肝臓は腫大し、腹腔内に体液が漏出します。急性炎症の場合には見事な自己修復をしますが、慢性炎症では肝硬変を引き起こします。肝硬変は、修復を繰り返すことによって、硬化した組織が積み重なり、肝臓本来の機能を果たさなくなった状態のことです。膵臓は、タンパク質や脂肪、炭水化物を分解する強力な酵素を分泌します。この酵素の欠乏は、消化不良と吸収不良を引き起こします。酵素は膵管を通って、直接小腸へ分泌されます。酵素がほかの部位に漏出すると、激痛を伴う炎症を引き起こします。膵臓は消化機能に加え、インスリンなどさまざまなホルモンを血液中に分泌します。この機能については、「内分泌系」の項で触れます。 |