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この激しいかゆみを伴う疾患は、アレルギー性の皮膚疾患のなかで2番目に多い疾患です。ダニの糞、人のふけ、あるいは季節ごとの花粉などのアレルゲンが皮膚に吸着し、過剰な免疫抗体反応を引き起こして、炎症と掻痺症の引き金になります。アトピー性皮膚炎は、単にアトピーとも呼ばれ、症状の進行には時間を要し、犬では6か月〜3歳齢で発症するのが一般的です。耳は皮膚のうちでもっとも感受性の高い部位のひとつですが、最初にかゆみや炎症があらわれるのもこの部位です。肢端、鼠径部や腋裔をなめたり、肢端をなめたあとに顔をこするといった行為で、唾液により被毛は赤褐色に染まりますが、これは慢性刺激のあらわれです。一般的に細菌感染を伴い、膿痕、痴皮、びらん、そして潰瘍を引き起こします。 予 防 すべてのアレルゲンを遠ざけることが最善の治療法ですが、それが不可能な場合には、マツヨイグサ抽や海産魚類の抽、また亜麻仁油などに含まれる必須脂肪酸の栄養補充食品(EPAやDHA脂肪酸)によって、炎症やかゆみを軽くすることができます。定期的な水浴びや湿潤剤の使用により、細菌、真菌の温床となる皮膚の痴皮ヤアレルゲンとなりうる物質を洗い落とします。感受性の高いアレルゲンを含む脱感作ワクチンの使用は、アトピーの犬の、およそ3例に1例で効果的です。 |