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    聴力を失う場合、通常、徐々に進行します。犬が低周波音を聞く能力は長期間維持されます。一方、老化により聴力を失った犬では、高周汲音を聞く能力が維持されることがあります。難聴が始まるにつれて、犬は不活発になり、眠りから覚めるのを嫌がったり、命令を無視する回数が増えていくようになります。後天性難聴は、組織傷害を原因とすることがあり、中耳や内耳の重度の感染症あるいは薬物中毒の結果、認められることがあります。耳の感染症の治療に使われる硫酸ネオマイシンやゲンタマイシンのような坑生物質は、コルチ器や前庭器から聴覚信号を脳へ伝達する神経が傷害されることがあります。一般的ではありませんが、内耳の腫露や喪部の損傷によって、蛸牛やコルナ器が傷害されたり、聴神経が害され、難聴を引き起こすことがあります。老化による難聴は、10 歳齢前後に始まり、通常、徐々に進行します。
    診 断
    犬が命令通りに反応しないからといって、それは、必ずしも不機嫌や反抗のせいではありません。高齢犬では、知らないあいだに難聴が進行していることがあります。片側の耳だけの傷害や難聴では、犬はかわりにその他の感覚を使って補うため、飼い主は、しばらくのあいだ異常に気づかないことがあります。犬笛などで注意を引くか、難聴に対処する方法を見つけるようにするとよいでしょう。犬が難聴を発症し始めているように感じたら、大の背後に立って手を叩き、その行動を観察します。聴覚が正常ならば、犬は音のするほうへ向きを変えます。聴力が弱っている場合には、なんらかの音は聞こえますが、音の方向をはっきりと認識できません。完全な難聴の犬は、まったく反応しません。犬が臨床的に難聴であることが判明したら、獣医師はBAER検査(上梓参照)と呼ばれる方法で調べます。
    治 療
    犬の補聴器もありますが、それに順応する犬はほとんどいません。  

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