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    理由は不明ですが、心房(心臓の上の部屋)と心室(心臓の下の部屋)のあいだにある弁の辺縁が肥厚し、ゆがむために、弁がぴったり閉じないことがあります。この変形によって、心室が収縮して心臓から血液を押し出すときに片側、または両側の心房に血液が逆流します。この逆流は、弁の変形が悪化すると増加します。弁を保持している束状の筋肉(腱索)の一部が断裂することがあります。断袈によって対応した弁が機能しなくなります。
    診 断
    弁膜性心疾患の初期には、異常を示すような明瞭な症状が認められないことがあります。異常は、通常定期検診で発見され、獣医師が心雑音を聴診します。弁膜性心疾患では、通常、心臓の左側の心房と心室のあいだにある僧帽弁に異常が起こります。心臓の右側の同じ位置にある三尖弁の異常は、この疾患の約3分の1に当たります。
    治 療
    慢性の弁膜性心疾患は、心不全の重要な原因で、心臓はその機能を果たせなくなります。心不全の治療については次記本文のなかで述べます。心不全の早期の症状があらわれる前に弁膜性心疾患を治療しても、大の平均余命が延びるということは証明されていません。
     

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