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    想像妊娠ともいわれる偽妊娠ですが,これは雌犬にみられる正常な現象なのです。偽妊娠は、いっしょに行動しているほかの雌犬にも起こり、母犬がいないとき、その子犬に食べ物を与えることもあります。すべての雌犬は、発情周期のあとに偽妊娠になります。偽妊娠によって、明らかな肉体的な変化や行動の変化をあらわす犬もいます。これらの変化は、治療を必要とするほど激しくなることもあります。行動の変化は、不機嫌になったり、咲みついたり、机ヤベッド、椅子の下でじっとしていたり、かと思うと、触って欲しがったり、人といっしょにいたがったりと、さまざまです。また、クンクン鳴いたり、うなったりすることも多くなります。重病かと思えるほどうめいたり、だるそうに動く犬もいます。自分のおもちゃに所有欲を示すようになり、頻繁にくわえたり運んだり守ったりするようにもなります。食事から嫌いな物だけを選んで取り出すような行動も示します。
    診 断
    乳腺が腫脹、活発化し、乳汁が出ます。腹部は妊娠していると勘違いするほどにふくらみます。極端な例では、出産の時期に重なる頃には食事を拒否し、落ち着きをなくし、軽い陣痛さえ起こします。
    治 療
    犬が肉体的、または心理的な不快感の症状を示さない限り、治療の必要はありません。治療する場合には、プロラクチン抑制因子を経口投与します。一度でも明確な偽妊娠をした雌犬は、その後も偽妊娠の症状を示す可能性があります。繁殖の予定がない犬の場合、偽妊娠が終わった1か月後、または敷か月後に避妊手術をしたほうがよいでしょう。 

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