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パルボウイルスは、飼い犬のあいだで胃腸出血の発生があった後、1978年に初めて、北米、ヨーロッパおよびオーストラリアで、その存在が認識されました。1976年以前の血液標本には、このウイルスに対する抗体は検出されていないことから、この疾患は1976年にあらわれたことになります。コーネル大学の最近の研究で、犬パルボウイルスが、ネコのパルボウイルスまたはキツネに発生したパルボウイルス関連型の突然変異として出現したということを示唆しています。このウイルスは、犬パルボウイルス2型(CPV−2)として知られ、とても強靭で、犬の体外で約6か月間生存することができます。石鹸、界面活性剤および消毒剤に抵抗性を示しますが、塩素系漂白剤には感受性があります。ウイルスは糞便中に排出されて蔓延します。肢のうらをなめる程度の行為で、ウイルスは犬のロから体内に侵入します。16週齢未満の子犬がパルボウイルスに感染すると、重篤な症状を示す傾向があります。このウイルスは扁桃腺を通過します。その後は、リンパ系および血流を介して、骨髄、リンパ節、胸腺のほか、腸管上皮に達します。いずれも細胞が急速に増殖する部位です。重症例では腹痛、曙眠状態、ときには発熱、嘔吐および下痢もみられ、血便になる場合もあります。有効な治療をしないと、犬はウイルスによる傷害を引き起こしてショック死します。その他の症例では、大量の軟便などがありますが、症状は比較的軽度です。この病気の発生当時、多くの子犬が心不全のために突然死しましたが、現在では、きわめてまれです。 |