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    ブルセラ病は、1960年代に初めて同定された世界的な感染症で、ブルセラ菌(助YCe肋c血f5ノが原因となります。その発生は、地域によってかなり異なります。北米の一部の地域では野良犬の5%が感染していますが、英国およびオーストラリアでの発生は1%をはるかに下回っています。一般に、ブルセラ病は犬舎で飼われている犬に流行します。急性期には鼠径部のリンパ節が腫大しますが、下顎のリンパ節も腫大することがあります。しかし、感染しても多くの犬は臨床症状を示しません。ブルセラ菌は、感染した大の体に2年間程度とどまりますが、そのあいだに犬は免疫を獲得します。ブルセラ菌がもっとも広がりやすい時期は繁殖期間中です。感染した犬から排泄された尿、雄犬では精液、雌犬では膣のおりものから感染します。感染した雄犬は繁殖不能になることがあり、皐丸や前立腺には炎症(精巣炎および前立腺炎)が起こります。妊娠した雌犬が感染した場合には、妊娠6〜8週目に胎子を流産する可能性が高くなります。子犬が生まれた場合でも、通常は、数日以内に死亡してしまいます。
    診断と治療
    ブルセラ菌を検出するための診断方法としてもっとも確実なのは、血液培養で陽性になることです。検査の対象となる犬が多いときは、抗体検査のほうが実用的です。結果が陰性の場合は、真の陰性といえますが、陽性になった場合は、さらに特異性の高い(もっと高価な)抗体検査を用いて、確実な診断をします。繁殖用犬舎では、検査をしては排除するという方針がもっとも現実的です。感染犬は、数年間にわたって保菌者である可能性があります。抗生物質を使用している限り、ブルセラ菌は消滅しますが、この疾患の根絶に必ずしも有効な治療とはいえません。
    予 防
    繁殖に使用される犬については、すべて血液検査を実施する必要があります。検査結果が陰性になった場合には、犬が本質的にブルセラ菌に感染していないことを示しています。
    注 意
    ブルセラ菌の、人への感染はきわめてまれですが、理論的には人獣共通感染症で、人に伝染することがあります。流産胎子や、感染動物の組織および体液を取り扱うときは、ゴム手袋をはめ、衛生面で細心の注意を払えば、感染の危険性を抑えることができます。
     

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