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    ライム病は、ダニ媒介性疾患のなかでもっともー股的な疾患で、スピロヘータ目に属する細菌、ボレリアが原因となります。ライム病は、米国のコネチカット州のオールド・ライムの地名に由来します。1970年代、この地域で、おもに子どもたちに見慣れない再発性の関節疾患が発生していることに気づいたことから、認識されるようになりました。この感染症(ボレリア病)は、米国全土で確認されました。とくに北東部と中部大西洋地域、さらに中西部と太平洋北西地域に認められ、ほぼヨーロッパ全域、オーストラリア北部など、マダニの生息するところなら至るところでで発生しています。ライム病は、マダニの季節(北半球では5〜8月)に森林地帯で発生します。さまざまな種類のマダニが、ボレリアの伝播者となっており、哺乳類がその役割を果たしています。たとえば、米国北東部では、おもな伝播動物はシロアシネズミです。このシロアシネズミから感染したマダニが、犬や人をかむことによって、唾液を介してこの病気を伝播します。マダニがまだ感染していないネズミをかむことによって、この病気を伝播させてもいるのです。流行地域では野良犬の半数がボレリア菌の抗体をもっていますが、症状を示すことはありません。犬のライム病でもっとも一般的な症状は政行で、発熱、嗜眠状態および体重減少を伴うこともあります。
    診 断
    血液検査で、ボレリア菌に対する抗体価の上昇がみられたら、感染したことを示していますが、感染しても最初の数週間は、検査結果が陰性に出ることもあります。また、ワクチンを接種された犬は陽性になることがあります。
    治 療
    テトラサイクリン系抗生物質(ドキシサイクリンなど)またはペニシリン系抗生物質(アモキシリンなど)がきわめて効果的です。
    予 防
    マダニの季節には、抗マダニ用に開発された製品や首輪を使って、マダニから身を守る必要があります。危険性の高い犬には、6か月間防御効果があるワクチンを利用することもできますが、多くの動物が無症状で、そのほとんどが自然治癒するため、その必要性が問われています。
    注 意
    ライム病そのものは人畜共通感染病ではありません。
     

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